ペーサー_7

SURLY/PACER(British Racing Green) 組立途中経過・その2

前回の暫定的なセットアップからちょっぴりですが進んでおります。

 

無骨な真っ黒タイヤから、ちょっとクラシカルな、サイドが飴色のタイヤへスイッチ。

ペダルも、『ドロップバーは今回のが始めてだからまずは車体に慣れることに集中したいので、両踏みのこんな感じので!』ってことで、MKS/ESPRITをご用命頂きました。

 

 

さてパーツチョイスよりもちょっとややこしいのがポジション関連をどうするか?ってことなのですが・・。

オーナーさん曰く、『ドロップは初めてなので正直ポジションはわからないというか、乗り出してから自分で悩んでみたいんです。悩みたいって変ですか?でもSURLY/PACERを選んだのは悩める余地を残してくれているっていうのが自分にとっては大きな魅力だったので・・あと、エンドにはキャリアの取付けも可能なようにアイレットが設けてあるのもデカかったですね。いずれはキャリアを付けて、ちょっとした旅にも出たいんですよね!』ってことで、標準で添付されてくる10mmハイト×3枚のスペーサーにプラスして、大胆に10mm×4枚(プラスαで、ステムの上に5mm×1枚が乗っかっております。)を、暫定的にセットしてみました。

 

なぜ10mm×4枚という数量にしたかといいますと、SALSA/VAYAの54cmサイズのハンドルの高さというかフォークコラムの長さとほぼ同等になるからなんですよね。

ヴァヤは一見するとスローピングデザインの小さなフレームに見えがちですが、実はフレームを小さく造りたかったというよりも、無理なく高めのハンドルポジションを作れるように、ヘッドチューブを長めに設計しているんですよね。で、その高い位置のままトップチューブを水平に走らせるワケにはいかないので、スローピングデザインと成っているワケです。

 

ぶっちゃけて言うとサーリーのフレームデザインよりもサルサのデザインの方がより『今』の理屈を投入しているというか、テクニックを盛り込んだ設計となっています。でもサーリーはあえてその辺を、ローテクのままにしているのだと思うんですよね。どちらのブランドが優れているかなんて比べるのはヤボってもんでしょうね。現にサーリーの手法は、既に多くのサイクリストに歓迎されているんですからね。

熱くなってしまいました。文章ばかりではややこしいですから、数字でも補足しておきます。当該車両のSURLY/PACERの52cmサイズのヘッドチューブ長が実測値で109mm、比較でピックアップしたSALSA/VAYAの54cmサイズのヘッドチューブ長が実測値で150mmってことで、まずはヘッドチューブ長の差を埋めるべく10mm×4枚を投入し、双方の車両のヘッドセットのスタックハイト等でも少し差が出ますからステムの上に5mm×1枚を追加。で、仮に今回のPACERの52cmサイズをそのスペーサーの枚数でフォークコラムをカットしたなら約245mmとなり、VAYAの54cmサイズの標準添付枚数の10mm×3枚でフォークコラムをカットしたなら約242mmとなります。もう一丁付け加えますと、PACERの52cmサイズもVAYAの54cmサイズも、水平トップチューブ長は540mmと、同一の数値なんですよね。

 

ヘッドスペーサーの枚数を見て、『ちょw・・セオリー無視し過ぎでしょww・・何枚入れてるんすかwww』って声がきこえてきそうですが、僕は全然アリだと思っています。面倒ではありますが、切るのはいつでも切れるんです。

身近にフレームビルダーもしくは器用で親切な鉄工所のおじさんでもいれば切ったコラムもまた伸ばしてもらえるかもしれませんが、そんな自転車先進国じゃありませんからね、本邦わ(『地元の工房』も随分減りましたし・・)。故に、オーナーさんが納得してから切るのが一番だと考えています。

あと、『SURLY PACER』というワードで、グーグル辺りで画像検索してみて下さい。外人が上げたであろう写真には、今回のようなセットアップ例が少なからず見られます。僕的には、充分にセオリーの範囲内という感覚です。