オリジナルブランド”The Riddle Bikes”からリリースされたオリジナルフレームの系譜を紹介します。このページは、Glitter Tune初期のblog『ヒューマンサイクルダイアリーズ』、改定前の当webサイト、Facebookページ、また主宰タイラケンジに直接話を聞いた内容を元に、86Graphicsが再編集したものです。
“Designed by Kenji Taira / Welder: Fuji Alloy”
この意味はAbout Usのページで本人が語っていることを読んでいただくとして、ここでは大きく分けると『MTB』『TRIAL for KIDS』という2つの流れを紹介したいと思います。
― MTB編-1 ―
“Short track racing frames for Go Takai” -(2000〜2001年)
<blogより>
約6年ほど前(※注:=2000年頃)、“Short track racing frames”というコンセプトで図面を描いたもの。昨今、こんなサイドビューの自転車多いですよね。こっそりだけど2000年とか2001年頃に私も創っていたのです。
いつも新規にフレームを企画する時は、一番乗らせたい人や最初に乗るであろう人を想い、ドローイングします。完全なる愛です。(ゲイではありません)このフレームは・・・ずばり、“高井 豪”へささげたものです。高井 豪に付いては多くは語りません・・・。
フロントフォークの肩下の短さ(いさぎよさ)が売りです。いさぎよ過ぎて一般うけしないのは承知でしたが、海外でもこんな様な流れが少ーし起こってきています。でも、流行までには行かないと思います。物凄い、隙間的なジャンルですから。
そのフロントフォークを前面からご覧下さい。因みにこのフォークは、現在発売中(※注:2006年)のfoo fighterを奇特にも購入したrigidrideさんが、セットで買ったモノ。彼も結構変り者ですね。重量は・・・SIDよりも軽いです。多くは語りません。
フレームの各部工作は、可能な限り簡単にしました。なぜ?図面だけでなく、作る方でも、出来る限り自分で出来るようにしたかったので。私は工作機械の扱いは下手なので。
こういう工作、トライアルフレームではよく見ますよね。でもフジアロイではトラ車製造は随分前から請負っているので、相当前からこの様な造りのフレームを製作していました。“アラヤのマルチトレイル・ゼロ”とか・・・。皆さんご存知ですか?マルチトレイル・ゼロに付いては、多くは語りません。【面倒だからです。ネットサーフィン(死語)で調べて下さい。】
イスが、カーナーリッ、前に出ています。高井 豪用に創ったフレーム故の結果です。フロントセンターが長くならないようにしつつ、トップ長を稼ぎたかったからです。ショート・トラックコースでの旋回性を生み出すコンパクトなホイルベースと、高井 豪の懐の深い、独特のライディングスタイルを犠牲にしたく無かったからです。
<オリジナルテキスト:2006.12.20>
2000年といえばMTB世界選手権でデュアルスラロームが初開催され、その後4Xへと発展して行くクロスレースが盛り上がりを見せ始めた頃。関東ではJOSF(日本オフロードショートトラック連盟)の大会内では、BMXレースと同じトラック、同じフォーマットでMTBのクロスレースも毎月開催され(2015年現在も継続開催中)、クロスカントリーともダウンヒルとも違ったMTBのレースの黎明期だったのではないでしょうか。
そんな中、海外のレースコースほど高低差があるわけではなく、BMXトラックで速く走るためのフレームとして設計されたのが、この”Short track racing frames for Go Takai”です。この量産ではない数本のサイズ違いのレーシングフレームから”The Riddle Bikes”のMTBフレームが始まりました。
“foo fighter” -(2002〜2003年)
<blogより>
foo fighterを造ったのは2002年頃でした。当時のサスペンションフォークはショートトラックで使うにはダンパーの機能が今のように優秀でなく、またエアサスは存在していたもののストイックなXC向けで、ショートトラックやスラ、流行りつつある4X等で使うには、剛性が低過ぎました。
剛性を重視するとスチールスプリングで構成された下り向けのフォークをチョイスするほか無かったのですが、弊害として、ショートトラックでは動き過ぎてしまい、多くのライダーが、メーカー推奨の数値を逸脱してセッティングしていました。
そこで僕は、当時英国で盛り上がりつつあった26インチクルーザーのようなスタイリングに感化され、『じゃ、ショートトラックにしぼって、フォークも肩下を詰めたリジッドを用意すれば面白いんじゃないだろうか?』そんな経緯で、26インチ規格のBMXとも言えるfoo fighterが、誕生したのです。
<オリジナルテキスト:2011.9.19>
<blogより>
フレーム:7N01オリジナルチューブス/静岡・御殿場・Fuji Alloy製/未塗装・・・¥68,040(税込)(※注:販売当時の価格。絶版)
フォーク:7N01オリジナルチューブス/静岡・御殿場・Fuji Alloy製/未塗装・・・¥27,090(税込)(※注:販売当時の価格。絶版)
外人バンドで“フーファイターズ”ってのがいますが、僕は英語の知識が皆無に等しいので聴いたこと無いです。洋楽は苦手です。ナニ言ってるかわかんないから。僕はこういう意味→(Wikipediaで“フー・ファイター”と検索して!リンクが巧く行かない・・・)を込めて命名しました。暇ぶっこいてる人とか、深夜モンモンとしている人は読んでみてください。あまり為にはなりませんよ。
フレームの名前が“foo fighter”で、フレーム単体販売。そのフレーム専用に造ったフォークは・・・。特に名前を与えておりません。オフセット=30mm・・・物凄いショートオフセット。フォークレングス=410mm・・・はっきり言ってフレームを選びます。合わないモノの方が多いです。重量=たぶん1,100gくらい・・・SIDより軽く、圧倒的に頑丈。未だ完全にダメにした人はおりません。ちなみにこいつは試作版。市販版は寸法・チュービングは全く同じですが“ディスク”に対応したエンドに成っています。
素材=7N01超々ジュラルミン・Fuji Alloyオリジナルチューブス。
生産地=静岡・御殿場・Fuji Alloy(日本製)
こっちは“S”サイズ。(注:Sサイズについて)
“S”って言っても、実質的にはkids&youthサイズ。BMX的に言えば“エキスパートサイズ”って感じでしょうか?とにかくそのくらいの体格のライダーにはとても扱い易いらしく、26インチホイルをはかせてもほとんど違和感無いとの事。数は出ないのは覚悟の上でしたが、造って良かったと思っています。
<オリジナルテキスト:2007.1.10>
<blogより>
【Sサイズ・280㎜】
○シートチューブ(センター〜トップ)・・・・・280㎜
○トップチューブ・・・・・510.0㎜
○ホリゾンタルTT・・・・・未計測
○ヘッドアングル・・・・・71.0°
○シートアングル・・・・・74.5°
○ハンガードロップ・・・・・10.0㎜
○フロントセンター・・・・・585.0㎜
○リアセンター・・・・・410.0㎜
○ホイルベース・・・・・未計測
○ヘッドチューブ・・・・・85.0㎜
○マニューバスペース・・・・・未計測
【Mサイズ・305㎜】
○シートチューブ(センター〜トップ)・・・・・305㎜
○トップチューブ・・・・・535.0㎜
○ホリゾンタルTT・・・・・未計測
○ヘッドアングル・・・・・72.0°
○シートアングル・・・・・73.0°
○ハンガードロップ・・・・・10.0㎜
○フロントセンター・・・・・598.0㎜
○リアセンター・・・・・410.0㎜
○ホイルベース・・・・・未計測
○ヘッドチューブ・・・・・100.0㎜
○マニューバスペース・・・・・未計測
【Lサイズ・330㎜】
○シートチューブ(センター〜トップ)・・・・・330.0㎜
○トップチューブ・・・・・555.0㎜
○ホリゾンタルTT・・・・・未計測
○ヘッドアングル・・・・・72.0°
○シートアングル・・・・・71.5°
○ハンガードロップ・・・・・10.0㎜
○フロントセンター・・・・・610.0㎜
○リアセンター・・・・・410.0㎜
○ホイルベース・・・・・未計測
○ヘッドチューブ・・・・・100.0㎜
○マニューバスペース・・・・・未計測
【全サイズ共通部分】
○ヘッドサイズ・・・・・1・1/8(オーバーサイズ)
○ハンガーシェル・・・・・68㎜
○シートポスト・・・・・Ф27.2㎜
○シートクランプ・・・・・31.8㎜
○Fディレイラー・・・・・31.8㎜/トッププル(フロントトリプル対応)
【その他補足事項】
○2007年中にリリース予定の次期foo fighterとの区別のため、現行版の製品をfoo fighter(1st・現行版)としておきます。
○Sサイズ=135㎝〜 Mサイズ=155〜175㎝ Lサイズ=170㎝〜
○Sサイズはキッズ&ユース。または小柄な女性用とお考え下さい。
○foo fighter(1st・現行版)は、後に“高二”と名付けられた、このフレーム専用のフォークを基準に設計されております。図面上はフォークレングス=410㎜、フォークオフセット=30㎜となっております。またフォークとフレームの間に割って入るヘッドセットロアーカップは10.0㎜で設定しております。
<オリジナルテキスト:2007.8.14>
“Short track racing frames for Go Takai”に改良を加え、市販品としてS、M、L、の3サイズ作られたfoo fighterは、JOSFの緑山でのレースを初め、大人から子どもまで愛用者が増え、かなりの戦績も残したと思います。2015年現在の今でもまだ現役で走っているフレームもかなり見受けられます。
当時はレース機材として使える子どもサイズのMTBがほとんど無く、一見良さそうなXSサイズのフレームはヘッドアングルが立ち過ぎているものが多く、さらに後ろ三角(=リヤ〜センター長)は大きいサイズと同じままで、どうしても子どもがクロスレースで扱いやすいサイズには組み上げにくかった。そんな中、26インチホイールで今までになくコンパクトに組むことが出来、24インチホイールも使用出来たSサイズは、20インチMTBからの乗り換えを可能にし、子どもの成長に合わせて各パーツをアジャストすることで、小学生から中学生まで乗り続けられ、多くの子どもたちがクロスレースやダートジャンプ、トレイルライド、ゲレンデダウンヒルまで、マウンテンバイキングを楽しだと思います。
また、リヤエンドがトラックエンドのため、24インチ+シングルスピード、26インチ+シングルスピードという“BMXクルーザー”的な組み方も容易に出来たりで、シングルスピード/多段、リジットフォーク/サスフォーク、同じフレームありながら、ユーザーによってものすごく組み方に個性の出るフレームでした。
その後、この”foo fighter”から2つの派生モデルが生まれます。
(文責:86GRAPHICS)
Original Frame Brand “The Riddle Bikes” History vol.2 〜MTB編-2 へ続く