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Original Frame Brand “The Riddle Bikes” History vol.2

前回に引き続き、オリジナルブランド”The Riddle Bikes”からリリースされたオリジナルフレームの系譜を紹介していきます。

― MTB編-2 ―

“foo fighter HJ-EVO” -(2005〜2006年)

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<blogより>
(※注:まだ実現していない”AK-47″という名称の”foo fighter”後継モデルについて語る中での話です。)時間は少し経過して、2005年秋頃にハブ毛/横田氏より製作依頼を受け、翌年秋に出来上がった製品がfoo fighter HJ-EVOです。

『自分にはfoo fighterを上手に乗りこなす若さと体力が無い。しかしコース環境(=国内レースの)に合致したコンセプトのfoo fighterというフレームは、大変興味深い。そこでお願いなのだが、ショートトラックでの機能は大幅に削いでもらっていいので、今自分が結果にこだわりたい4Xにより機能するよう、3:7、あるいは4:6くらいの比率で、4Xを楽に走れるように設計してくれないか?』・・・ハブ毛/横田氏の希望はこうです。

で、手前味噌で恐縮なのですが、foo fighter HJ-EVOほどしなやかさを持たせたモノでは無いにしろ、大手メイカーも今では、foo fighter HJ-EVOに極めて近似のアングルなり寸法になってきました。『旋回性能を良くする為にヘッド角を立て・・・』や『安定性を生み出すために低めのハンガー・・・』っという理屈はすっかりくつがえされ、過去のものとなりました。はっきりと言えば、foo fighter HJ-EVOというフレームは、かなり先読みした製品だったということです。
<オリジナルテキスト:2011.9.19>

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<blogより>
【S/Mサイズ・320㎜】
○シートチューブ(センター~トップ)・・・・・320.0㎜
○トップチューブ・・・・・535.0㎜
○ホリゾンタルTT・・・・・556.23㎜
○ヘッドアングル・・・・・68.0°
○シートアングル・・・・・72.0°
○ハンガードロップ・・・・・10.0㎜
○フロントセンター・・・・・638.43㎜
○リアセンター・・・・・420.0㎜
○ホイルベース・・・・・1058.23㎜
○ヘッドチューブ・・・・・100.0㎜
○マニューバスペース・・・・・663.12㎜

【M/Lサイズ・335㎜】
○シートチューブ(センター~トップ)・・・・・335.0㎜
○トップチューブ・・・・・550.0㎜
○ホリゾンタルTT・・・・・574.96㎜
○ヘッドアングル・・・・・68.0°
○シートアングル・・・・・72.0°
○ハンガードロップ・・・・・10.0㎜
○フロントセンター・・・・・657.15㎜
○リアセンター・・・・・420.0㎜
○ホイルベース・・・・・1076.96㎜
○ヘッドチューブ・・・・・100.0㎜
○マニューバスペース・・・・・674.02㎜

【XLサイズ・350㎜】
○シートチューブ(センター~トップ)・・・・・350.0㎜
○トップチューブ・・・・・565.0㎜
○ホリゾンタルTT・・・・・592.69㎜
○ヘッドアングル・・・・・68.0°
○シートアングル・・・・・72.0°
○ハンガードロップ・・・・・10.0㎜
○フロントセンター・・・・・674.88㎜
○リアセンター・・・・・420.0㎜
○ホイルベース・・・・・1094.69㎜
○ヘッドチューブ・・・・・100.0㎜
○マニューバスペース・・・・・684.64㎜

【全サイズ共通部分】
○ヘッドサイズ・・・・・1・1/8(オーバーサイズ)
○ハンガーシェル・・・・・68㎜
○シートポスト・・・・・Ф27.2㎜
○シートクランプ・・・・・31.8㎜

【その他補足事項】
○今後製作予定の製品版との区別のため、現在各人が使用しているフレームを試作版としておきます。
○S/Mサイズ=横田使用中 M/Lサイズ=坂田・ek・大地使用中 XLサイズ=湯田・得津使用中 (敬称略)
○foo fighter HJ-EVO(試作版)は、ストローク量100㎜のフォークを想定して設計しております。図面上はフォークレングス=480㎜、フォークオフセット=40㎜となっております。またフォークとフレームの間に割って入るヘッドセットロアーカップは13.5㎜(キング・ヘッドセットの近似値です)で設定しております。
○Fディレーラーの取付けは出来ません。フロントシングル仕様のフレームです。
<オリジナルテキスト:2007.8.14>

<blogより>
ヘッド周辺。フォーククラウン辺りの突起物とのクリアランスを、あまり大げさな工作で対策したくなかった・・・。すっきりと 巧くいったと 自己評価 談合(※注:「談合レーシング」の意)の流儀にならってみました。

トップチューブ側のガセットは現行のffを踏襲しています。横田君が『ffのイメージを残してほしーの!』って言ってくれたから。思い出にすがるタイプなんですね、彼って・・・。

だからこの辺の造りもffそのまま。あっ、断っておきますが、よく似た工作のMTBフレームが他にもありますがパクった訳では無いですよ。正確には、タッチの差くらいで僕の方が早くこの形でffを造りましたから。遠吠え
寺前君に『ほら、このBMXフレームみたいなステーの処理にすれば!』って言われて『うん!』って事でその様になったのです。

エンドも現行ffの形状を踏襲しておりますが、かなり良くなっています。差込角度の自由度もかなり上げましたし、現行より少し小ぶりに出来た。これを考えるだけでも相当な期間フリーズしました。差込角度の自由度・・・意味解らなかったら済みません。遠慮なく捕まえて質問して下さい。それでも解り辛かったら・・・許して下さい。
<オリジナルテキスト:2007.1.17>

2001年 秋の岩岳 MAZDA BicycleCrossから、2002年には高松健二氏がスタートさせた国内の4Xシリーズ”SMX”(Super Mountainbike X)やシマノバイカーズフェスティバルなど、各地で4Xのフォーマットのイベントも開催され始めました。2002〜2010年には全日本選手権でも4Xのクラスがあり、国内でも4Xレースが盛り上がりを見せていました。

欧米のメーカー産の4Xフレームといえば、当時まだそんなに選択肢も無く、ハードなコースに合わせたリヤにサスペンションを持つモノや、本場のコースの斜度や巨大なジャンプセクションに合わせたジオメトリーのモノが主体でした。そんな中、クロスレース好き集団”Hubge Japan”横田氏がタイラケンジ主宰を焚き付け、『トップエリートではなく、ホビーライダーが“日本の4X”を楽しめるようなフレーム』として誕生したのが、この”foo fighter HJ-EVO”です。

blog内で文字での説明はありませんでしたが、「BMXコースと違い斜度のある4Xコースでの乗りやすさ(しなやかさ)を出すために、各ジオメトリー変更だけでなく、チューブを(foo fighterより)薄いモノに変更したり、チェーンステーのブリッジを廃したり、プレート状のシートステーとシートチューブの接合部などを、見る人が見れば、なるほどね!と言ってもらえる仕様になってます。」ということでした。その後、国内の4Xイベントの減少などもあり、残念ながら市販化にはいたりませんでしたが、トップエリートでなくとも、国内でレースを楽しむ人たちに、最適な機材を提供したい、という姿勢は伝わったのではないでしょうか。そして、”foo fighter”からもう一つの派生フレームが誕生することになるのでした。

“DERRINGER” -(2011年)

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ディテール

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セットアップ/ライド

<blogより>
良い物でも売れなければほぼ無価値です。売れなければ増産することも、新しいアイデアを盛り込んだ新作も造れません。広告が下手というのもありますが、そもそも資金が乏しいのでにぎやかなプロモーションはいっさいしなかったので、当然、徐々に忘れ去られていきました。

じっと再評価されるのを待つしか無い状態でしたが、僕はトライアル方面で子供用の製品を造り続けていた経験上、必ず新参者が現れて、僕が造ったモノに気が付き、絶対にその良さを痛感してくれるはずだと信じていました。いや、そこに頼るしかなかったと言った方が良いかもしれません。

予想通りというにはあまりに時間がかかりましたが、緑山で知り合った方々から、『foo fighterの一番小さなサイズ(S=280mmサイズ)。あれはいいねぇ。凄く練られている。26インチの車輪をセットしても、ウチのチビでも無理なく乗れるよ!』っと、造ってから5年も6年も経ってから、ぽつぽつと売れだしました。その中に、小川さん(※注:小川輪業商会店主小川氏)のご長男のジュンペイ君もいたのです。

『頑張って最低5本はウチで引き取るから、foo fighterの最少サイズのアップデート版を造ってくれないか?』小川さんから依頼を受けたのは、2010年に僕が練馬で開いていた店を片付け始めていた頃だったでしょうか。DERRINGERはそのような経緯で、企画・設計に着手しました。

foo fighterはショートトラック専用というわりには、僕の考えでフロントメカが付けれるように造っていたので、キッズ用のAM車として運用されていました。しかしこれは僕にとって予想外ではなく、元々幅広く、所有者の想像力で好きなようにセットアップしてもらえば良いと思っていたので、『あー、いい傾向だな・・・』っという感じでした。

foo fighterは肩下の短いフォークを想定してして設計されているので、サスフォークを合わせるとどうしてもアングルが寝てBBが上がり過ぎる。そこを、最初から子供が使用するのに適したトラベル量のフォークを想定し、若干オーバースペック気味の硬いチュービングを緩和し、かつ、可能であれば軽量化・・・。

言うなればDERRINGERとは、『子供に最適なサイズのfoo fighter最少サイズを踏襲し、foo fighter HJ-EVOで得たAM的特性をミックスさせた製品』なのです。時間があき過ぎているのでそれぞれブツ切りのプロダクトと受取られていると思いますが、僕が造ってきたモノは、全て連綿と、なにかしらの関係性が見てとれるはずです。
<オリジナルテキスト:2011.9.19>

<blogより>
普通に市販したモノはもちろん試作で終わったモノも含め、通算何作目の自主企画・設計なのかすっかり判りません。

自分の企画以外にも、工場(←フジアロイ)に寄せられる製作依頼(大まかな絵程度で『これを造って下さい!』ってのがかつては結構あったので。苦笑)のコーディネイト&設計のし直しを含めると、たぶん30アイテム近くになると思いますが、正直もうそういった仕事に疲れ果ててしまいました。

自転車への情熱が失せたとかってのでは無いのですが、僕個人も含め、日本国内のあらゆる環境が苛酷過ぎて、今後は国内で、軽合金を使ったニッチな競技路線のフレームを造ることは出来ないでしょうね。いや出来ないというより『利口ならやらない方が良い』と言った方が正確かもしれませんね。

一点モノのオーダー品ってのなら依頼者が青天井の予算を組んでくれればいくらでも出来ると思いますが、僕は一点モノってのはどうも性に合わなくて、小ロットでもいいから既製品を造りたいんですよね。

ま、そんな無意味な拘りがなくて宣伝を巧くやって資金も潤沢にあれば国産も可能だと思いますが・・・うーん、利口な人ならやめた方が良いと思います。苦笑

工場の状況的にもこれで最後の、フジアロイ製×タイラ企画の、ユースサイズMTBフレームがようやく完成にまでこぎつけられられました。ちょっと常識では考えられないくらいの時間がかかってしまい、関係者の方々には何度お詫びしてもし足りないほどのご迷惑をかけてしまいました。誠に申し訳ありませんでした。

しかし・・・2002~2003年に製作したffのそのままの図面でまた再生産するのではなく、ffの一番小さなサイズの実際の運用のされ方をさんざん頭に叩き込んだ上で、今現在求められている機能をフレーム単価7.35万に可能な限り盛り込み、旧作から8年ほど経過して進歩したパーツに合致する『最新』のモノにするべく・・・。

正直、その手の作業はさくさくと進められるものではないのです。毎日の生業との並行作業で結局は1年以上の仕事となってしまいました。僕も自転車屋のハシクレなので自転車フレーム設計もその仕事の一環と思われがちですが、全く新しいフレームを造るというのは、ズバリ言うと自転車屋の仕事の範囲ではないのです。本来ならもっと資本力がある会社がやるべきなのです。が・・・そんな商売ドガイシの仕事に首を突っ込むなんて、やはり利口ではないんですよね。だからどこもやらないんだと思います。『うちもちょっと考えてるんだよねぇ』って話しはちらほら聞いたことはありますが、結局どこも首を突っ込んでこないんですよねぇ。

ま、これ以上ネガティブな話しはしません。時間はかかりましたが『最先端の子供用MTB』であることは間違いありません。未塗装でブランド力はほぼゼロですが、世界中のどこを探しても存在しない、素晴らしい戦闘力を秘めた逸品だという自負は、それはもうハンパないです。ちょっと早めでも24インチのわっぱで組めばかなり前倒しでも無理無く乗って頂けるはずです。多くの旧ffでそのように運用されているので実証済みです。¥73,500(税込)(※注:現在絶版)に価値ありと思って頂けましたら、是非お求め下さい。ジオメトリはこちらを参照下さい。
<オリジナルテキスト:2011.5.9>

<blogより>
DERRINGER(ユースサイズMTBフレーム)

【ジオメトリ】
○仮想フォークレングス・・・・・460.0㎜(80mmストローク)
○仮想フォークオフセット・・・・・40.0㎜
○シートチューブ(センター〜トップ)・・・・・285.0mm
○トップチューブ・・・・・512.5mm
○ホリゾンタルTT・・・・・515.0mm
○ヘッドアングル・・・・・68.0°
○シートアングル・・・・・73.0°
○ハンガードロップ・・・・・10.0㎜
○フロントセンター・・・・・605.0㎜
○リアセンター・・・・・390〜410㎜
○ホイルベース・・・・・995〜1015㎜
○ヘッドチューブレングス・・・・・90㎜
○マニューバスペース・・・・・627.5mm
○平均重量・・・・・未計測

【その他補足】
○1サイズ展開
○フレームとフォークの間に割って入るヘッドセット(ロアーカップ)は、13.5㎜で設定。
○ディスクブレーキオンリー。フロントメカ取り付け可。
○ISCGマウント無し。(現在オプション設定を検討中)
○¥73,500(本体価格/70,000 ※注:2011年当時。現在絶版)未塗装。アルマイト処理を考慮した造作。

ま、寸法なんかは『コンセプト』に等しいので一番最初に考えておく部分ですから、ある意味誰でも決定出来るんですけどね。でも必要な条件を満たす寸法に『妥協』するのが難しいんですよ。で、予め決めていた数字で各部問題無かったので、正式告知ということです。僕みたいな人間に期待しているそこのあなた!是非一本お求め下さいね。関東では小川輪業さんで取り扱って頂けます。(※注:2011年当時。現在絶版)
<オリジナルテキスト:2011.3.25>

<blogより>
デリンジャーは、ジャンル的には子供サイズのAMもしくはアグレッシブXCに・・・っとの想いで設計したフレームです。
<オリジナルテキスト:2011.10.7>

“foo fighter”のS-sizeは本当に子どもが乗ることを良く考えているフレームで、JOSFの緑山でのレースなどで”foo fighter”に乗る子どもは、機材に無理がないのでノビノビ乗っているという印象でした。さらに乗るのが楽しくなると、今度は里山へついて行ってみたり、ダートジャンプをやってみたり、ダウンヒルもやってみたりしたくなるもの。”foo fighter”がさらにそのような用途にも対応すべくリファインされれば、良いに決まっている。

そこに気づいてオーダーをした親御さんはさすがですね。デリバリーされた”DERRINGER”は、第二の生まれ故郷?緑山での活躍はもとより、ダウンヒル、里山、ダートジャンプ、と様々なフィールドへ子どもたちのお供をするのでした。

フォークの肩にダイヤル類が多数装備されるようになったり、フォークの標準的なトラベル量の変化など、最新のフォークスペックに対応するようになり、”foo fighter”S-sizeを組む上でネックになっていた、サスペンションフォークのセレクト問題もすっきり解決されていました。

“foo fighter”は2つの派生モデルを経て、次期モデル”AK-47″という構想もありましたが、実際製造には至りませんでした。この間にMTBの流れとしては、主流のタイヤ径が26インチから27.5インチへかなり移行しつつある(2015年現在)ということ、また29erはもちろん、FAT Bikeなどの多様化、と徐々に変化しつつ進んで来ています。『既存のフレームを使って京南ローカルが楽しめるMTB』というちょっと変化球なセットアップを提案したり、長年かけて数モデル提案してきたキッズ向けのトライアルフレームから派生させて、いよいよユースサイズ/アダルトサイズのフレームを製造したりと、『不特定多数向けではなく、乗る本人をイメージしたモノ作り』が途切れること無く続いているので、一体次はどんなMTBの構想が頭にあるのか、折りをみて聞いてみたいと思います。
(文責:86GRAPHICS)

■画像提供(MTB編-1/2)■
小川輪業商会ikkei bike worksAkabaneVisionFILM Webハブ毛ジャパン談合レーシングHNDworks“Team Yellow” Itoさんどんぐり戦隊(順不同)

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京都府宇治市の自転車屋『GLITTER TUNE グリッターチューン』

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