ペーサー_1

SURLY/PACER(British Racing Green) 組立途中経過

サルサにしてもサーリーにしても、北米のでかいメイカーというか問屋さんのQBPってところの傘下のブランドなのはご存知でしょうか。それぞれのブランドのコンセプトに違いはありますが、僕的な解釈では、兄弟ブランドと言ってしまってもいいと思うんですよね。

 

それらブランドは完成車といってもあらゆる部分が未施工でパッケージされてくるので、『きっちり手を入れておきたい』タイプのショップさんにしてみたら、フォークコラムがカットされていなかったりケーブル類も長いままだったりロードにおいてはバーテープが巻かれていなかったりっていうのは、逆に凄くありがたいんですよね。

話しはずばーんと飛びますが、↑の写真のSURLY/PACERをお求めのオーナーさんの『体格・ロードのキャリア』を考慮し、イスの高さと前後位置を確定致しました。さくっとご来店頂ける場合はわざわざこういったカタチでやり取りしなくてもなのですが、時期的に時間がなかなか取れなかったり距離的にそうおいそれとご来店頂けない場合は、おうかがいしている体格や自転車歴を元に、ポジションを決定する方法を取っています。

 

そこでありがたいのが『フォークコラムが斬られていない』というパッケージ。この先も純粋にロードとしてしか運用しないのなら、標準装備品として添付されてくる10mmハイトのスペーサー×3枚で充分なのですが、『もしロードにハマって更に良い乗り物を・・』っとなって、このペーサーをハイスペックなコミューター的に改修すべく大き目のキャリアを装備したいとなると、ハンドル位置をぐっと手前に持ってきて荷物スペースを空けないといけないので、『コラムを残しておけばよかった・・』っとなるケースを、何度も見てきています。

ま、その辺の判断はあくまでもお客さんに決定頂くことなので、上で述べている事例はあくまでも参考程度に、耳に入れて頂ければなと・・しかしながら、コンポ関連がシルバーでまとまっているのにヘッドセットが黒ってのがちょっと残念っちゃあ残念です。TANGEのモノでシールドベアリング採用で色はシルバーで価格は¥5,000程度のヘッドセットが在庫アリだったと思うので、必要であればご用命下さい。

 

繰り返しになりますが、純粋なロードということであれば、添付されてくる30mm相当のスペーサーの数で充分です。もうちょっと高めのハンドル位置をということであれば、標準品のステムを写真の状態から天地反転してセットすれば、10mm程度は上がってきます。『そうは言っても、切ってしまえば元には戻せないのであと数枚のスペーサーを、かっこがまずくなっても追加して頂戴!』ってのも、僕はアリだと思います。ご自身で乗りながらじっくりポジションを探していかれるのも、ひとつの方法ですので。

ただ、ハンドルバーの形状はさすがに旧年式らしく、今現在求められているカタチではないと思います。オーナーさんの体格等を考慮すると、リーチがもうちょっと詰まって落差ももう少し抑えられた、形状的に言えばアナトミックシャロー系に、早めに換えた方が良いかもしれません。ステムの突き出しは80mmですが、ハンドルバーのリーチで軽く10~15mmほど詰められるはずなので、ステムはそのままでよいかなと・・。

 

一旦ほぼ全バラにするので当然ケーブルもとっぱらっちゃいます。本来はシフトケーブルに湿布する目的でリリースされているグリスですが、ブレーキに使っても効果が発揮されるので、当店では幼児車に至るまで、このグリスを使って仕上げています。

不思議な形状のシロモノはデュアルコントロールレバーに仕込む、ブレーキレバーのリーチ調整のためのモノです。が、今回のオーナーさんの体格であれば特に必要は無いと思うので、納車の際にその他備品と共にお渡しするのみです。

 

たかが自転車で神経質過ぎるかもしれませんが、機械モノは、『かけた手間は裏切らない』ってことを、経験的に痛感しております。面倒かもしれませんが、納車のその日まで、今しばらくお付き合い下さい。

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