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About Us

GLITTER TUNE – Kyoto, Japan

 GLITTER TUNEの店主、タイラ ケンジ(1973年/京都府出身)と申します。僕が何者なのか不明過ぎるようなので、サイト開設の機会に来歴を示したいと思います。

 高校卒業後の10代末期から20代半ばまでは、自転車メイカー(大阪)や問屋(京都及び埼玉)で働いていました。がしかし、社会人になったかなり早い段階から、自分の理屈や理論で自転車を製造することを目指していたので、25才あたりだったでしょうか、それまで歩んできた自転車業界からすっぱり方向転換して、建築現場や鉄工所で、毎日鉄の加工及び溶接作業をする環境に飛び込みました。

 2年半ほど鉄の加工に従事していましたが、当時健在だった自転車専科の長沼氏の紹介で、静岡は御殿場に在る(有)フジアロイで仕事をする機会を得ました。フジアロイはその前身のヤマクニの頃から数多くのアルミ合金製の自転車フレームを製造してきた工場で、僕自身もおそらくはヤマクニもしくはフジアロイ製のMTBに乗っていたので、当時住んでいた東京都練馬区から嬉々として、大変のどかな静岡御殿場市に引っ越しました。20世紀もまもなく終わる、僕が27~8歳の頃だったと思います。

 既に日本国内での自転車製造は終了の秒読みが始まっている頃でしたが、フジアロイではまだまだ、それはもう様々なジャンルのアルミフレームを請け負っていて、ロードにもMTBにもBMXにも興味を持って、そして乗ってきた僕にとって、最高にありがたい環境でした。しかし僕自身は、フジアロイで『ウェルダー』になろうとは考えていなかったのです。僕がフジアロイで身に付けたかったのは、『造り方や工程を知った上での設計知識』でした。もちろん学校ではないので設計を教えてくれるわけではありません。既に在る図面とサンプルで吊るされている過去に造られたフレームを参考に、昼をさっさと食い終えて何枚も製図の練習をしたもんでした。 フジアロイでは、ドラフターで作図していたんですよね。苦笑

 フジアロイにフルタイムでお世話になっていたのは3年強でした。で、東京都練馬区でGLITTER TUNE(最初は2007年4月に練馬で始めました)を開くまでに4年弱の時間があるのですが、今考えるとかなり無茶苦茶でしたね。どこかに所属することなく、色々なバイトをかけもちしつつ、自分企画のみならず工場からの依頼も含め、あらゆるジャンルの自転車フレームを設計しました。もちろんそれだけでは食えないので、工場でまとまった仕事が発生した際は健康ランドに連日泊まって仕事をしたり、プールの製造メイカーでもあったので、全国各地の市民プールや学校プールの新築や改修工事に従事しました。

 2007年の春に練馬区の貫井というところに小さな物件を借りて、GLITTER TUNEを始めました。正直に言いますと僕は小売店がどうしてもやりたかったというよりも、小規模でも良いので、『製造メーカー』でいたかったのですが、手っ取り早く始められそうなのは小売屋さんだったので、かなり思い付きでスタートを切ったのでした。最初の半年くらいは、売り物はいっさい無かったくらいです。

 ショップを開くと、フジアロイ在籍時代からフリーター時代にかけてあちこち顔を出していたのが、徐々につながっていきました。しょっちゅう観戦に行っていたJOSF関連の人たちはもちろん、トライアル会場で言葉を交わした人たちと再会して、『あ、あの時のフジアロイの人?まだ自転車造っているんだ!』っという具合に。その時に再会した方の奨めで、熱心に製造を依頼されて製品化したキッズ向けのトライアルフレームのSIDEWINDERは、関東エリアで活動いていた頃の集大成的なフレームだと、自負しています。

 二十歳過ぎから16~7年、出身地の京都府宇治市を離れて関東地方各地で仕事をしていたのですが、実家の両親も同じように時間が経過して歳をとっているわけで、散々悩んだ結果、2010年の6月に練馬の店をたたみ、同年7月に、現在の場所にて、第二期GLITTER TUNEを始めた次第です。練馬時代同様、有名メイカーの取扱はいっさいございませんが、世界中探してもどこにも無いモノを造り出したいという気持ちはさほど変わっていません。かなりの難産で関係各位には凄い迷惑をかけましたが、移転後に造ったDERRINGERは、僕の得てきた知識や経験をめいっぱい詰め込んだ、代替のきかない逸品だと自負しております。

 この先どんな『新しいモノ』を造れるかはまったく未知ですが、京都府宇治市の田舎から、力のこもった製品が生み出せればいいなと考えています。ダートバイクが好きで好きでたまらないサイクリストのお越しを、お待ち致しております。
(2012.2.8)

京都府宇治市の自転車屋『GLITTER TUNE グリッターチューン』

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